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痛風

痛風は、日本に約60万人の患者さんがいます。
また痛風予備軍である、無症候性高尿酸血症の人は、約 500万人と言われています。

痛風の原因は、おもに体内で過剰に作られた尿酸という物質です。
尿酸は溶けにくく、固まって結晶になりやすい性質があります。
体内で大量に作られた尿酸は、関節に流れ着き、そこに蓄積されます。
そして尿酸の結晶は少しずつ大きくなります。

尿酸は本来からだの中ではすべて溶けていて、結晶としては存在しないものですから、
その箇所に炎症が起こり、赤く腫れて激しい痛みが自覚されます。
これが痛風発作です。

高尿酸血症

尿酸の原料はプリン体です。
レバーなどの内臓、魚卵、貝類、ビールなどに
多く含まれています。
このため肥満、大食家、大酒家の方に
高尿酸血症が認められます。

尿酸値の正常値は、
成人男性 4.0~6.5mg/dL、成人女性 3.0~5.0mg/dL です。

尿酸が血液に溶ける限度は7.0mg/dLまでです。
それ以上の濃度では、溶けきらない尿酸が結晶として、腎臓や、足の関節に蓄積されます。
このように尿酸の濃度が高い状態を、高尿酸血症と呼びます。

高尿酸血症の合併症

痛風発作

痛風発作はある日突然、何の前触れもなく起こります。

患部の激痛、発赤、発熱、腫脹が4大兆候です。
約70%が足の親指の付け根で、
その他、くるぶし、アキレス腱、膝の関節など
下肢部分に集中しておこります。
2か所以上の関節が痛むことはあまりありません。

痛みが始まって、2~3時間たつと
患部の関節が赤くはれ、熱をもってきます。
痛みは24時間ほどでピークがきて、
治療を受けなくても10日前後で消失します。

しかし最初の発作から1年程で、痛みを忘れたころに再発します。
適切な治療を受けずに放置すると、
発作の間隔が半年に一度、3ヶ月に一度と少しずつ短くなります。

痛風発作の要因

肉、魚貝類、アルコール(特にビール)の過剰摂取、過労、
ストレス、激しい運動をした後に起こります。

なぜストレスで痛風発作を起こすのかは不明ですが、
まじめで几帳面、何事も深刻に受け止める人は
ストレスをためやすく、
痛風発作を起こしやすいと言われています。

また激しい運動をすると、疲労物質である乳酸が体内にたまり、
尿酸の排出機能を低下させるのです。
プロのスポーツ選手にも痛風発作を起こす人が少なくありません。

ですから激しい運動の後は、しっかり水分補給をして、
血液中に増えた尿酸を尿に溶かして、体外に排出することが必要です。

腎障害
尿酸の結晶が腎臓の組織に沈着し腎臓の機能が低下します。
腎臓が悪くなると、尿酸を排泄する力が低下するため、
ますます尿酸値が高くなるという悪循環が生じてしまいます。
腎機能が著しく低下すると、生命維持に人工透析が必要になります。
尿路結石
尿の通り道にできた結石を尿路結石といいます。
痛風患者さんの10~30%にみられます。
尿酸値が高く、尿中に排泄される尿酸が多くなると、結石ができます。
尿酸はアルカリ性で溶けやすく、酸性では溶けにくい物質です。
尿酸値が高い人は尿の酸性度が強いことが多く、尿中の尿酸が結晶化しやすいのです。
尿管結石では腰、わき腹に激痛(疝痛発作)、血尿を認めます。
痛み止めを使いながら、水分を多量に取ることで、小さい結石は自然に排泄されます。
結石が大きい場合は、
体外から衝撃波を結石に照射して(体外衝撃波療法)細かく砕く方法が用いられます。
動脈硬化
高尿酸血症の人は、高血圧、糖尿病、脂質代謝異常症などの
生活習慣病を合併していることが多く、
これらが絡み合うと動脈硬化が加速度的に進行します。
痛風だけを患っている人はわずか4パーセントにすぎません。
動脈硬化が進行すると、脳梗塞、心筋梗塞など重篤な疾患を引き起こします。
痛風患者さんが心筋梗塞で死亡する率は、
痛風を合併していない人の2倍以上になるといわれています。
これらの疾患を予防するためにも高尿酸血症は治療する必要があります。

痛風、高尿酸血症の治療

痛風発作の治療

発作時は、安静に保ち、湿布薬、氷で患部を冷やすと
多少痛みが抑えられます。
心臓よりも高い位置に患部を上げると、痛みが和らぎます。

水分をしっかり補給して(1日2リットル以上)、
尿酸を排泄します。

プリン体の多い食事(脂身の多い肉類)を避け、
ご飯、麺類、パンなど糖質を中心とした
消化の良い食品を適量食べましょう。

魚類の脂肪には動脈硬化を防ぎ、
血管を丈夫にする効果があるので、
魚類を多くとることは心筋梗塞、脳梗塞の予防に有効です。

アルコールは尿酸の生産を促進させるので禁酒します。

また鎮痛薬や白血球の動きを抑える薬で症状を和らげます。
痛風発作時に尿酸を下げると、痛みが強くなることがあり、
発作がおさまってから、尿酸値を下げる治療を行います。

発作が治まっても、炎症が鎮まっただけで、 尿酸値が下がったことを意味するのではないので
痛風発作の有無に関係なく、合併症予防のため、高尿酸血症の治療継続が必要です。

高尿酸血症の治療

食生活を中心とする生活習慣の改善が基本です。

アルコールは尿酸の生産を促進させるので
飲みすぎないように注意します。

プリン体を多く含んだ食品を食べすぎない、
水分をよくとるといった食生活の改善が必要です。

適度な運度は、高尿酸血症の治療に有用です。
それでも尿酸値が高ければ薬が必要です。
尿酸値が9mg/dL以上なら合併症予防のために薬物治療を始めます。

糖尿病、腎障害、尿路結石、高血圧、脂質代謝異常症、
狭心症などがある場合には、8mg/dL以上から薬物治療がすすめられます。

尿酸コントロールの目標は、
痛風発作を起こしにくい、6mg/dL以下が目安となります。

まとめ

高尿酸血症は動脈硬化の原因となり脳梗塞、心筋梗塞など重篤な疾患を引き起こします。

痛風発作が治まると、痛みも嘘のようになくなり放置しがちですが、
動脈硬化の予防のためにもしっかりコントロールしていく必要があります。


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