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脂質代謝異常症

コレステロール、中性脂肪は
人が生きていくうえで必要な脂質の一種です。

コレステロールは
人の体を構成する細胞の細胞膜
生体機能を調節する副腎皮質ホルモン
消化酵素である胆汁酸の材料になります。

中性脂肪は人間が活動するときのエネルギー源として
使われます。

人が生きていくためには
1日1~1.5グラムの新しいコレステロールが必要で
そのうちの20~30%は食事から摂取することでまかなわれます。

このように、コレステロール、中性脂肪自体が悪者ではなく
体内で増えすぎると、動脈硬化を引き起こします。
食事の欧米化に伴い、脂質代謝異常症の方は急激に増加し
現在、日本には約2,200万人の患者さんがいると推測されています。

悪玉コレステロールと善玉コレステロール

HDLコレステロールは血管壁にたまったコレステロールを回収し動脈硬化を抑制します。
このためHDLコレステロールは『善玉』コレステロールと呼ばれます。

逆に、LDLコレステロールは肝臓のコレステロールを体の隅々、血管壁に運んでいます。
LDLコレステロールが多くなると
肝臓から体の隅々に運ばれるコレステロールが増え
動脈壁にコレステロールが蓄積し、動脈の老化、つまり動脈硬化を促進します。
このためLDLコレステロールは『悪玉』コレステロールと呼ばれます。

脂質代謝異常症をほっておくと糖尿病、高血圧と同じく
コレステロールが高くても特に症状は見られません。
この病気が怖い点は、放置しておくと動脈硬化を進行させ
脳梗塞、心筋梗塞など命にかかわる病気を発症します。
このため『サイレントキラー(沈黙の殺し屋)』と呼ばれています。

脂質代謝異常症の検査

血液検査で調べます。
当院では、総コレステロール、中性脂肪、HDL、LDLコレステロールの結果を
採血後30分でお伝えすることができます。

日本動脈硬化学会が定義している基準値は次のようになっています。

脂質代謝異常症の基準値

  • 総コレステロール値 220mg/dl以上
  • 中性脂肪値 150mg/dl以上
  • HDL(善玉)コレステロール 40mg/dl以下
  • LDL(悪玉)コレステロール 140mg/dl以上

上記に当てはまる方は脂質代謝異常症と診断されます。

コレステロールはどこまで下げるか?

日本動脈硬化学会の定義では危険因子に応じて細かく設定されています。

狭心症、心筋梗塞の既往のある方は
LDLコレステロールを100mg/dl以下に下げるように
勧告されています。

しかし生来健康な方が、検診でコレステロールが高いと指摘された場合は
どうなのでしょう。

前述したように、コレステロールは人が生きていくうえで不可欠なものです。
コレステロールが低すぎるということは、栄養状態が悪く
免疫機能の低下、解毒機能が弱っていると考えられます。
日本で行われた大規模脂質調査(J-LIT)の結果では
日本の診断基準より少し高めの数値の方が
動脈硬化による死亡率が低いことが示されています。

生来健康で、動脈硬化の危険因子のない方は
LDLコレステロールが160mg/dl未満であれば
あまり問題ではありません。
しかし、食事、運動に気をつけることが必要です。

脂質代謝異常症の治療

治療は、まず食事療法や運動療法などの生活習慣の改善を行います。
食事療法や運動療法を行っても十分な改善がみられない場合は
薬による治療を行います。
最近の薬の進歩により、内服で良好なコントロールが得られます。

遺伝が原因でコレステロール値が高くなる、家族性脂質代謝異常症の方は
薬による治療を必要とします。

運動療法

運動療法を行うと、体内の脂肪代謝が活発になり
LDL(悪玉)コレステロール、中性脂肪が減少
HDL(善玉)コレステロールが増加し
動脈硬化の予防になります。

しっかりと呼吸し、酸素を取り入れながら行う有酸素運動
(ウォーキング、軽いジョギング、水中歩行、サイクリングなど)が効果的です。

ウォーキングは運動療法を始める際に理想的なものです。

ウォーキングの効果をアップさせるためには、

  • ウォーキングシューズを履き
  • 胸を張り
  • 背筋を伸ばし
  • お腹を引き締め
  • 歩幅はいつもより広めにする

ことを心がけましょう。

食事の1~2時間後に行うのが良いでしょう。

一回の運動時間は

脂肪の燃焼が始まる15分程度から開始し
ウォーキングに体が慣れてくれば、30分以上行うことが有効的です。

運動は週に3回行いましょう。
運動は長く続けることが大切です。
筋肉量が増えると、基礎代謝が上がり、太りにくい体質となります。

長く続けることのできる無理のない運動を心がけてください。

食事療法

LDLコレステロールが高い方は
コレステロールを多く含む食物のとり過ぎに気をつけましょう。
食品からのコレステロールの摂取を300mg以下とすることが目標となります。

コレステロールを多く含む食品

  • レバー(鳥のレバー) 250mg/100g
  • 卵黄 210mg/個
  • 魚の卵(明太子) 168mg/60g
  • イカ 270mg/100g
  • 牛乳 12mg/100ml

コレステロールの高い方は
卵黄は週に2~3個、牛乳は200~300mlにしましょう。

脂身にもコレステロールを上げる飽和脂肪酸が
たくさん含まれています。
肉類中心から魚を多く取ることを心がけ
油脂類も動物性(バター、ラード)でなく
植物性(オリーブ油、キャノーラ油)のものを使用しましょう。
また食物繊維、大豆、海草、青背魚には
コレステロール低下作用、整腸作用、血糖抑制作用があります。

中性脂肪が高くてHDLコレステロールが低い方は
肥満を合併していることが多く
まずカロリー制限で減量をしましょう。

甘いもの、動物性脂肪の多いもの、揚げ物、アルコールを
ひかえましょう。

だいたい
男性で1800~2000kcal、 女性で1600kcal~1800kcalぐらいです。
男性で1800kcal、女性で1600kcalを目標にすると
1カ月で1~2kgは確実に減量できます。

お酒は適量であれば
HDL(善玉)コレステロールを増やすことが分かっています。
血管拡張作用もあり、冷え性にも効果があります。
しかしアルコールは、栄養分が少ないわりに
カロリーが高く、飲みすぎるとコレステロール、中性脂肪の増える原因となります。

一日の適量としては
ビールであれば500ml、日本酒は1合、ワインはグラス1~2杯、焼酎0.6合です。
週に2~3日休肝日を作ることも大切です。

まとめ

脂質代謝異常症の怖い点は
放置しておくと動脈硬化を進行させ、
脳梗塞、心筋梗塞など 命にかかわる病気を発症する事です。

定期的に採血を行い、 早期発見、早期治療を行いましょう。


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