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肺気腫

私たちは呼吸をすることで、大気中の酸素を体に取り込み、二酸化炭素を体外に出しています。
酸素と二酸化炭素の交換は、肺の中の肺胞と呼ばれる数億個の小さな部屋で行われています。
肺胞の数が多いのは、
肺胞の壁の表面積を増やして(その総表面積は80m2におよびます。)ガス交換を効率よくするためです。

肺気腫はこの肺胞が破壊され、大きな気腔を形成する病気です。

日本には500万人以上の肺気腫の患者さんがいると推計されますが、
実際に治療を受けている方は約22万人で、95%は未治療のまま放置されています。

世界保健機関(WHO)の調査によると、2020年には死亡原因の第3位になると予測されています。

肺気腫の原因

いちばんの原因はなんといっても喫煙です。
喫煙が主な原因であり「肺の生活習慣病」と呼ばれます。
喫煙により、肺胞が破壊され、破壊された肺胞は再生しません。

肺気腫は一旦発症するとゆっくりと進行し続けます。
肺気腫は何十年もかかって肺胞がゆっくり破壊された結果の病気であり、40~50歳代で症状が出てきます。

肺気腫の症状、合併症

労作時の息切れ、呼吸困難が最も多くみられます。
その他、咳、喘鳴、痰の増加が特徴的な症状です。
特に息を吐き出すことが難しいため、口をすぼめてゆっくり呼吸をするようになります。

肺気腫が進行すると体内に二酸化炭素が蓄積し意識障害を来たすこともあります。

拡大した大きな気腔が破れると気胸を起こします。

肺気腫の方は肺炎を起こしやすく、感染を契機にあっという間に呼吸不全に陥ることがあります。
肺炎球菌ワクチンを接種し、肺炎を予防することが大切です。

肺気腫の検査


  • 胸部レントゲン、指先につけるパルスオキシメーター検査、呼吸機能検査があります。
  • 胸部レントゲンで肺の状態を確認します。
  • パルスオキシメーターで酸素飽和度(SpO2)測定を行い低酸素血症の有無を確認します。
  • 呼吸機能検査では肺機能、肺年齢のチェックを行います。

肺年齢は、肺気腫の早期診断・早期治療ができるため日本呼吸器学会が提唱している指標です。
肺年齢の測定により、自分の呼吸機能がどの程度か分かります。
日本呼吸器学会は、肺年齢が実年齢より19歳以上高いと肺機能障害が
ある事が多いとしています。

タバコを吸わない人がプラス7.1年に対し、タバコを吸う人は
プラス13.6年で、6.5年ほど肺年齢が高くなることが分かっています。

40歳以上で喫煙歴のある方、あるいは長年、受動喫煙者であった方は
呼吸機能検査を受けることが大切です。

当院ではこれらの検査を行っています。

肺気腫の治療

破壊された肺胞は再生しません。
しかし、治らないからとあきらめる必要はなく、これ以上症状を悪化させないことが大切です。

第一に禁煙が絶対的に必要です
 
第二に呼吸リハビリが大切です

呼吸は息を吸うときに、お腹をふくらませ、
息を吐くときにお腹をへこませる腹式呼吸を行います。
胸をあまり動かさないように呼吸することで、
呼吸筋の負担を軽減できます。
口すぼみ呼吸で、気道閉塞の症状が緩和されます。

第三は栄養です

肺気腫の患者さんは呼吸に多くのエネルギーを
必要とするため、痩せて、栄養状態が不良となります。
十分なカロリー、たんぱく質の摂取が必要です。

第四に薬です

息切れ、咳の症状を改善する治療として気管支拡張薬があります。
気管支拡張薬には抗コリン薬(スピリーバ等)とβ2刺激薬(セレベント、ホクナリンテープ等)があります。
吸入ステロイドも、気道過敏性が強い方には併用します。

第五に在宅酸素です

肺気腫が進行し、呼吸困難が強い方には自宅で酸素を
吸入する在宅酸素を行います。
現在8万人以上の方が在宅酸素療法を受けており、
40%は肺気腫の患者さんです。
在宅酸素を行なうことで、生活の質の向上、
延命効果がある事が分かっています。

第六に感染予防です

呼吸予備能の少ない肺気腫の患者さんは、
感染症により急激に呼吸不全を起こします。
呼吸器感染予防のため、うがい、肺炎球菌ワクチン、
インフルエンザワクチン接種が大切です。



まとめ

肺気腫の原因は喫煙です。
喫煙歴のある方、あるいは長年、受動喫煙者であった方は呼吸機能検査を受けることが大切です。

症状が進行する前に早期診断を行い、禁煙、治療を開始する事が重要です。


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